天網恢恢疎にして漏らさず。中国の「天網」は故事を具現化した?

こんにちは。

少し前に「天網」という中国の監視システムがニュースで取り上げられていました。信号機にものすごい台数の監視カメラが、まるで鳥が電線に並んで止まっているかのようにひしめき合っている映像でした。

このシステムがどんどん広がっていくとどうなるでしょうか。少し書いてみたいと思います。

天網AIは犯罪者を逃さずキャッチ

このシステムの一番効果は、犯罪者の検挙に大きく貢献していることといわれています。

「天網」システムが起動すると、人工知能(AI)を搭載したカメラが、ターゲットの人物がどこにいても、GPSと動体顔認証システムを通して独自のデータベースと照合して探し出せるそうです。

そのデータベースは、中国公安当局が顔写真と身分証、電話番号などから構築した監視システム「天網工程」と呼ばれるもので、監視カメラは国内各地に2017年時点ですでに1億7000万台が設置されており、少なくとも2000万台はこの「天網」とつながっているとのことです。

さらに、2020年までに推定4億台以上もの数が追加されるという。

帽子やサングラスをかけても特定される!

毎秒30億回の照合で世界人類を認識

その性能ですが、毎秒30億回の照合が可能で、1秒で中国全国民を、2秒あれば全世界の人をふるいにかけることができるらしいです。(これは、もちろん全世界の人がデータ登録された場合の例えだと思います。)

広東省広州市のホテルでは、チェックインの際にパスポートの提示と同時に顔写真の撮影を求められるといいます。こうして、スマホの位置情報や決済情報とも連動して膨大な個人情報を収集するのでしょう。

広東省では、GPSがオフでも、スマートフォンの電源が入っていれば、街中に張り巡らせたアンテナとカメラで個人を特定することができるそうです。

性能が非人道的レベルと抗議を受けるほど

これだけ監視されていては、個人のプライバシーなどあったものではありません。自分の行動が常に国家に監視されているということですからね。

この性能について、あまりにも精度が高すぎて非人道的だと、シリコンバレーから連名で中国に対する抗議が出たそうです。中国はそのぐらいのレベルになっているということです。

中国共産党が国の中心の体制を維持するために、敵対する、あるいは社会不安に繋がる犯罪などを一網打尽にしたい思惑があるのでしょう。

公安の監視下ということは、インターネットでも、町を歩いていてもすべて把握されていくという、自由の無さを痛感するかもしれません。

しかし、犯罪から考えれば、悪いことをするとすぐに見つかるというのですから、悪人に苦しめられている人にとっては、よいシステムになるのではないでしょうか。

その報道で街のインタビューに答えた人の中に、変な不審者が寄り付かないから、とても安心できると言っている人がいました。使われ方次第で生きやすくもなり、生きにくくもなるというのが現状でしょうか?

故事「天網恢恢疎にして漏らさず」

「天網恢恢疎にして漏らさず」ということばがあります。天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということです。

老子もこれを予言したわけでは・・・

訳文《「老子」73章から》

天は争わずして相手に勝ち、もの言わずして相手を感化し、招かなくても相手が自然に来るようにする。そのようすは緩慢なようであるが完璧(かんぺき)に計算されているのである。天の網は広く大きく粗いようだが、決して見過ごすことはない。

大自然は人間の英知よりもはるかに緻密にできており、お天道様はどんなことでも必ず見ているということでしょう。

この故事を人力で具現化してしまう、中国の技術力はすさまじいと思います。

おわりに

中国の天網システムについて私見を書いてみました。

しかし、世の中は科学の発展とともに、犯罪も何もかも赤裸々に暴かれていく時代へとジリジリと進んでいます。

知らない第3者の情報をここまで「知る」ことができる世の中になったと。

悪にとっては生きにくくなり、善にとっては生きやすくなのかもしれません。どちらを選ぶかはその人次第。しかし結論は見えています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

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参考:日経新聞、ホウドウキョクより

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