植物の種子の残し方(風散布・重力散布・動物散布、水散布等)について

こんにちは。

今回は植物の子孫の残し方についてです。どんな生き物でも、子孫を残せなければ、衰退、絶滅してしまいます。植物は、自分自身動くことは出来ないため、子孫を残すための、種子の散布方法に様々な戦略を立てています。

風に吹かれたり、動物に運んでもらったり、はじけて飛ばしたり、どんぐりころころ、、、色んな手段があるようです。

以下、植物の様々な種子散布をまとめてみました。

植物は様々な方法で種子を散布する

種子散布の意義は、

  • 親(母樹)から離れること
  • 広範囲に分散されること
  • 適切なセーフサイトに到達すること

と考えられています。高い確率で繁殖を成功させることーーこの目的のために進化していったのでしょう。

種子の子孫の残し方は、色々な形態があり、自然界とうまく共存していることがわかります。主な散布方法と、その特徴、植物の例を表にまとめてみましたので、参考にしていただけたらと思います。

風散布植物

特徴(全般:陽性植物が多い。種子が小さい)主な植物
種子の上の長い毛で落下傘のように飛ぶ【落下傘型】タンポポ、テイカカズラ、キク科植物
種子の周りの綿毛で飛ぶ【綿菓子型】ヤナギ、ポプラ
種子の側面のプロペラのような翼で飛ぶ【回転型】カエデ類、シデ類、トネリコ、マツ類
枯れ葉の付いた短枝と共に飛ぶ【滑空ケヤキ型】ケヤキ
種子に羽毛状の長いまたは幅広い翼がある【滑空キリ型】シャクナゲ類、レンゲツツジ、キササゲ、キョウチクトウ、キリ、ヤシャブシ、カンバ類
へら状の幅広い苞に種子をぶら下げ、ハンググライダーのように飛ぶ【滑空シナノキ型】シナノキ、オオバボダイジュ、ヘラノキ
微細な種子を持ち、胞子のように風で飛び散る、雲散霧消【微細種子型】ラン類、ツツジ類の一部

動物散布植物

特徴主な植物
●多肉質の果実が食べられ、種子がふんと共に排出され、遠くまで運ばれる。鳥類の役割が大きい。(摂食型)モチノキ、ネズミモチ、ムクノキ、サクラ類、ヒサカキ、ムラサキシキブなど
●リスやネズミが持ち運び、食料として地中に保存して忘れたものが、遠くに散布される。カケスなども貯食の習性がある(貯蔵・貯食型)ブナ、ドングリ類
●アリが、その種子の回りの脂肪分を貯え、不要な種子を周りに捨てることで散布される。(アリ散布型)ケシ、キンポウゲ、クサノオウ、スミレ、ハコベ、カンアオイ、スゲ類
●細毛やカギ状のもので人や動物に付着する。(付着型)オナモミ、イノコズチ、ヌスビトハギ、キンミズヒキなど
●粘液をだして付着する。(粘着型)チヂミザサ、コメナモミ

動物散布のうち被食型は、地域的に特徴があり、熱帯雨林では70~90%、サバンナでは50%前後、温帯では30~40%の植物が、この方法を取っていると言われています。

アリ散布について

アリ散布植物の種子には、エライオソーム(カルングルともいう)という脂肪分に富んだ物質がみられ、それがアリへの報酬となっています。この散布方法の植物は温帯、熱帯ではかなり一般的であり、80科にものぼると言われています。オーストラリアの灌木林では、1,500種ものアリ散布植物が存在しているそうです。

自発散布植物

特徴主な植物
成熟すると、果皮の先端が裂けて種子が弾き飛ばされる【マンサク型】マンサク、トサミズキなど
成熟すると、わずかな刺激で急に果皮が裂け、種子がはじき飛ばされる【ホウセンカ型】マメ類、カタバミ、ゲンノショウコ、フクロソウ、コクサギ、スミレ、ツリフネソウ、アブラナ科など
成熟すると、果皮がタオルを絞るようにねじれ、種子は弧を描くように遠くまで飛ばされる【フジ型】フジ

重力散布植物

特徴主な植物
重力落下で弾んだり転がったりして広がる。種子が大きく重い【母樹直下型】クリ、カシ類、トチノキ、、ブナ、オニグルミ、ヤブツバキなど
開花受精後、花梗が地中に伸び、成熟する【モグラ型】落花生、ヤブマメ

水散布植物

特徴主な植物
種子が水に浮く構造になっており、海や川の流れに乗ることで遠くまで運ばれる【ヤシ型】オニグルミ、ココヤシ、モモタマナ、ミフクラギなど
母体上で発芽し、幼根をつけたまま地上に落ち、独立(胎生種子)し、泥に突き刺さり生育するタイプと、水の流れに乗って新天地を見つけるタイプがある【オヒルギ型】オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ

ヤブツバキの実 熟すと下部から割れて、硬い種がこぼれます。(重力散布)

イロハモミジの種子(風散布)

スミレ(アリ散布など)

動けないからこそ様々な方法で子孫を残す

植物は、基本的にある場所に種が落ち、そこから芽が出て成長していきますが、その場所から動く事はできません。

したがって、あらゆる手段を駆使して、子孫を残していきます。そこに実に巧妙な仕組みがあるのですね。

人間や動物は、子育てというものがありますが、植物は母樹から離れたとたんにサバイバルが始まります。よって生命力は植物のほうが動物よりもはるかに高いと思われます。

特に樹木に至っては、数百年、数千年生き続けるものもあるわけですから、あの小さな種が実に尊くすら感じます。

人間も大自然に従って生きることが大切

人間は、植物より、また他の動物よりもはるかに多くの自由と能力を与えられています。手足を動かせば、色んなものを作り出すことができます。

絵画、彫刻、陶芸、演劇、映画など美しい芸術を生み出すこともできるし、人類の生命を脅かす核爆弾さえ造ることができます。

人類の繁栄は、ある意味では自然の破壊を伴うものでもありますが、一方で自然の美を愛することができるのも人間の特権のような気がします。そのバランスをうまく取れているところが、世界遺産として残されていくのでしょう。

人間も、他の動物と同様、死んだら微生物などの分解者によって自然に還っていきます。(火葬された灰は、大気にその成分が取り込まれ、浄化されるのかもしれませんが)これは自然界の鉄則なので、人間も自然の循環の中の一員であることを自覚すると良いのではないかと思います。

自然の循環の一員としての人間です

おわりに

植物の子孫の残し方~種子の散布方法~について簡単に書いてみました。

植物はその小さな種子の中に、ものすごいエネルギーを蓄えています。特に穀類、蔬菜類は、人間にとって欠かせない食物です。菜食主義の人が長生きなのも、そのエネルギーを直に取り入れるからではないかと思います。

自然の重要性については、こちらのブログにも書いています。こちらは、植物の「花」が行っている戦略についてです。

ミツバチの生態から、虫媒花・風媒花・鳥媒花の種類をまとめてみました

生態系のくくりでは、植物は「生産者」、動物は「消費者」微生物などは「分解者」として区分されます。この三者のバランスがうまく成り立っている環境にいてこそ、人間は大自然の恩恵を受けることができるのではないかと思います。

そういえば、この4月1日に、種子法が廃止されますね。これについては、また調べたいと思います。本当に種子は人類にとって重要であり、その生命の安全の根幹が揺るがされることのないように、注視していかなくてはいけないなと感じております。

自分は、この自然からの学びをこれからも続けていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

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