朝鮮を南北に分ける38度線は、日本の森林分布にもつながりがある

朝鮮半島を、「北朝鮮」と「韓国」の南北に分ける38度線は、日本においては、気象の境目になっているようです。日本の森林分布の特徴をまとめまして、38度線とどういうつながりがあるかを書いてみました。

■目次
1. 森林分布域の植物の特徴 暖帯と温帯を分ける38度線
2. 日本にある植物分布線
3. 「38度線」で分かれる南北の植樹事情
4. 東北の「鎮守の森プロジェクト」の苗木は適切に植えられている?
5. おわりに

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森林分布域の植物の特徴 暖帯と温帯を分ける38度線

日本は降水量の多い国です。全国平均年間1,700mm程度(推定)あります。降水量が多いと森林がよく育ちます。

ところが、日本は南北に長いため、気温差によって森林の姿も変わります。また3,000m級の山をもち、地形も非常に複雑なため、標高差によっても植物相に違いが出てきます。
気象による分布帯を挙げてみました。

亜熱帯

  • 小笠原諸島、奄美大島以南
  • 木生シダ類、ガジュマルなどが分布。

暖帯

  • 九州、四国、本州の低山、平地でおよそ北緯38度以西の地域
  • クス帯とも言われ、クスノキ、タブノキ、スダジイ、カシ類など常緑広葉樹が分布。

温帯

  • 九州、四国の山地、本州の北緯38度以北の地域
  • ブナ帯とも言われ、ブナ、ミズナラ、カバノキ類、ハンノキ類、カエデ類など落葉広葉樹が分布。

亜寒帯

  • 四国、本州の高山、北海道の一部を除いた地域。
  • 亜高山帯とも呼ばれ、シラベ、オオシラビソ、トウヒ、トドマツ、エゾマツなどの針葉樹、ダケカンバ、ウラジロナナカマドなどの落葉広葉樹が分布。

寒帯

  • 平地には存在しない。本州では2,000m以上、北海道では1,500m以上の地域。
  • 高山帯とも言われ、ハイマツ、タカネナナカマドなどの低木が生え、高木は見られない。

どうやら、38度線は、日本の暖帯と温帯をおおまかに分ける線 と言えると思います。

38度線(赤いライン)※イメージとして捉えてください

日本にある植物分布線

前項にあげた気象による分布帯のほかに、植物相で分けられる分布線もあります。

ブラキストン線

北海道と青森の間に引かれる線で、スギ、オオシラビソの北限と、トドマツの南限を示している。

黒松内低地線

北海道渡島半島の寿都湾から黒松内を経て長万部に引かれる線で、ブナの北限を示している。

牧野線

本州の東岸(外帯)を静岡県富士川に沿って二分する線で、地質構造上、フォッサマグナに一致する。

田代線

本州を内帯と外帯に区分する線。内帯は日本海側で冬季の降雨量が多く、外帯は九州、四国、本州の太平洋側で夏季に降雨量が多い。

それぞれの線の位置は、イメージとして捉えてください

「38度線」で分かれる南北の植樹事情

植生分布で北緯38度線が出てくるとは意外でしたが、北朝鮮と韓国の境になっている緯度と同じなのが不思議です。

38度線は、本来は、第二次世界大戦末期に朝鮮半島を横切る北緯38度線に引かれたアメリカ軍とソ連軍の分割占領ラインである。北緯38度線上に定められたことから、こう呼ばれる。

韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の独立から朝鮮戦争勃発までは、それらの国の境界線(国境)となっていた。朝鮮戦争後の軍事境界線もやはり38度線と呼ばれることがあるが、正確には一致しない。

(Wikipediaより引用)

朝鮮半島でも、暖温帯の境になっているのでしょうか?調べてみると、朝鮮半島にも、クスノキ科のタブノキや、ブナ科のスダジイが分布しています。

らしいのですが、どうも事情は違うようです。

北朝鮮 植樹」と調べると、北朝鮮は、はげ山が広がっているという情報が、たくさん出てきます。

その中で次のような記事が出てきます。2016年のものですが。

金正恩氏はハゲ山に植林できるか? 庶民の焼畑撲滅の「10年戦争」を宣言 腐敗役人は没収畑を密売..

1990年代に、大量の餓死者が出るような困窮状態だった北朝鮮国民は、山を焼き払って畑を開墾したようです。しかし、山の緑を戻すために政府は、そういう畑を没収し、植樹を推し進めているそうですが、経済状況を良くすることが最優先だと、国民は嘆いているようです。

なんと想像もつかない、困窮状況が続いているようです・・・

一方の韓国では、植樹政策が奏功して、山に緑が回復しているということです。

社会的には、今、大変緊張状態にある地域ですが、昔は文化的交流もあり、植物学的にも、日本と繋がりの濃い地域であるということがわかります。一民間人としては本当に国を超えた平和を祈るのみです。

東北の「鎮守の森プロジェクト」の苗木は適切に植えられている?

上記の植物分布線については、宮脇 昭氏が出版された 「日本の植生」に載っております。宮脇氏は、東日本大震災後に発足した鎮守の森プロジェクトの副理事長をされています。

暖帯と温帯を分ける北緯38度線付近では、気象の高気圧の動きも違うらしいです。注目するのは、タブノキ、スダジイ、カシ類が、この線以南(以西)の暖帯で生息している点です。

鎮守の森のプロジェクトでは、タブノキがよく植えられているようですが、38度線以北の岩手県大船渡市の植樹でも、これらの樹種が植えられたのでしょうか。

ホームページを見る限りでは定かではありません。(ヤブツバキの記載はあるようです)もちろん郷土にあった選定樹種が植えられていることを推察しますが。もしタブノキが植えられていると、少し気候帯的には食い違いが出来てしまうのではないか、といぶかってしまうところです。

多くの方の思いが託されている植樹帯。適正な管理がなされてほしい。

おわりに

植物を調べていくことで、震災のことや、現在も続く歴史問題まで色々資料を紐解く機会を得ることができました。

何がどう繋がるかはわかりませんが、自分で調べて現実を知るということは、とても大事なことだと思います。

朝鮮半島は、日本と「食」でもつながっています。

キムチの美味しさの真実。日本と朝鮮半島をつないだ唐辛子

今行われている社会活動、今起こっている社会問題、今の政治経済問題が、本当に正しく取り扱われているのか、という疑問を持つきっかけにもなりました。

この豊かな植生と四季のある日本列島を守っていくには(もちろん朝鮮半島にも守るべき素晴らしい自然があります)、一人ひとりが向上していくのが最善の道であると考えます。

豊かな自然の中にも、ある変化が起きていることを書いている記事もあります。合わせてご覧いただければと思います。

虫媒花・風媒花・鳥媒花を一覧でまとめました ミツバチの生態より

自分ができることを、ただ地道に善行へと積み重ねていくことが良いのではないかと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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参考文献:森林インストラクター入門、日本の植生

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